シンポジウム情報

早稲田まちづくりシンポジウム 2016

開催概要

まちづくりのこれまでとこれから–まちづくりの未来力–

 本シンポジウムは、これまでに蓄積されて来たまちづくりの実践と理論を踏まえ、多様な課題と結びついて展開する「まちづくり」の未来のありかたについて議論することを目的とする。イギリスの都市理論家であるPatsy Healeyを迎え、近著「Making Better Place」から「計画」と「場所」という視点を引き、「まちづくり」の社会的位置づけを考える。各セッションにおいては技術、実践、文脈、社会、復興というテーマで「計画」とまちづくり、「場所」とまちづくりについての議論を行い、まちづくりの未来力とは何か、ということについて展望を示していきたい。

早稲田まちづくりシンポジウム2016実行委員長 佐藤滋

(公財)大林財団の国際会議助成を受け、建築学科・都市建築国際交流基金の資金を使用しています。


 開催日時:2016年7月 9日(土), 10日(日)
 会場  :早稲田大学国際会議場・井深大記念ホール(東京都新宿区西早稲田1-20-14)
 参加費 :一般¥2,000 / 早稲田都市計画フォーラム会員¥1,000 / 学生無料
 申し込み:参加ご希望の方は以下の申込フォームにてお申し込み下さい
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プログラム

一日目:7月 9日(土)


9:00-9:15 あいさつ・シンポジウムの意義について
会場:井深ホール(同時通訳付き)
  佐藤 滋 早稲田大学 理工学術院教授


9:15-12:30 セッション0:「場所」の計画論とまちづくり
会場:井深ホール(同時通訳付き)

 まちづくりは、欧米のアーバン・デザインやコミュニティ・ディベロップメント等を参照しつつ、市民参加を基礎として日本固有の理論と実践の世界を形成してきた。本セッションでは、まちづくりの対象となる都市や地域の基盤となる「場所(Place)」を「器」ではなく「流れ」として捉え直すことによって、そこで暮らす人々が望む千差万別の未来を可能とする「場所」の計画論(Planning Theory)について考察し、これからのまちづくりを展望する。特に、様々な地域の担い手が繋がりながら、居住環境の向上を目指してきた「まちづくり」の実践や、縮退する社会においてそのあり方が問われている「都市計画」の考え方を参照しながら、多面的な議論を行いたい。

 登壇者
 Patsy Healey  Newcastle大学
 早田 宰    早稲田大学
 齋藤 博    大東文化大学
 土方 正夫   早稲田大学
 饗庭 伸    首都大学東京
 Jeffrey Hou  Washington大学


(12:30-13:30 昼休憩)


13:30-17:00 セッション1:技術としてのまちづくり -デザインゲームを起点とする都市の計画技術-
会場:井深ホール(同時通訳付き)

 「まちづくりデザインゲーム」といった、まちの更新や葛藤を疑似体験しつつ地域の空間像と社会像を描き、まちづくりを進める手法は、1990年代以降、様々に開発・活用されてきた。(これは、ソーシャルなつながりづくりが中心の近年のワークショップとは一線を画する。) しかし、今日の人口減少社会などの都市づくりを取り巻く状況の変化や、公民連携による事業性を重視した進め方などのプロセスの変革が起こるなかで、この手法がどう対応できるのかを批判的に振りかえる必要がある。そこで、本セッションでは、「まちづくりデザインゲーム」を起点として、これら課題に対応しつつ、また長期性・広域性との整合等にも考慮した包括的な都市づくりのあり方を議論したい。


 登壇者
 志村 秀明   芝浦工業大学
 川原 晋    首都大学東京
 野嶋 慎二   福井大学
 藤村 龍至   東京藝術大学
 出口 敦    東京大学
 土方 正夫   早稲田大学
 Jeffrey Hou  Washington大学
 

13:30-17:00 セッション2:まちづくりにおける文脈的方法論 -近代都市化の解読・評価から導く空間像としての文脈化-
会場:会議室1

 近年の城下町都市では城址公園の再整備や街道の整備など、歴史的資源を活かしたまちづくりが進められている。しかし安易な「らしさ」を取り入れた方法は、景観や文化の貧困を招く恐れがある。歴史都市の近代化は、壊す、残す、つくるなど様々な取捨選択が織り重ねられた過程である。近代化の議論と受容(文化)は、時期、主体、空間、技術などにより、都市によってその経過は異なるが、そうした経験が蓄積されていない。本セッションでは、近代化の許容の方向性はこれからの都市づくりへも活かせるのではないかという視点から、都市空間像と可視化の文脈的方法論について議論したい。

 登壇者
 野中 勝利   筑波大学
 中川 理    京都工芸繊維大学
 武者 忠彦   信州大学
 西尾 京介   日建設計総合研究所
 松浦 健治郎  千葉大学
 菅野 圭祐   早稲田大学


13:30-17:00 セッション3:地域持続のためのまちづくり -凝縮するコンパクトシティの実践論-
会場:会議室2

 人口減少局面となったわが国では、都市計画の転換点となる集約型コンパクトシティ論を確立することが重要である。集約型コンパクトシティは計画論から実践論の段階に入りつつあるなかで、現在はビジョンのみが先行しており、具体的な方策および技術を導き出す必要がある。一方、集約型コンパクトシティの目的は、単に縮小することではなく、地域に住み続けられ、地域を持続することにある。本セッションでは、実践的に取り組む夕張市を対象とし、集約型コンパクトシティのあるべき姿や、具体的な方策を議論する。議論の先に、人口減少下のまちづくりや地域づくりのあり方が見えてくるだろう。

 登壇者
 瀬戸口 剛   北海道大学
 鈴木 直道   夕張市長
 岩田 司    東北大学
 廣兼 周一   日本総合住生活


二日目:7月 10日(日)


9:00-12:30 セッション4:まちづくりは社会をどうつくったか? -20年間の蓄積から考える-
会場:井深ホール

 90年代にスタートしたまちづくりの第三世代も20年の取り組みを蓄積してきた。20年ものあいだ、まちづくりが続くと、どういうことが起きるのだろうか。何が達成されたのかということだけでなく、何が非達成だったのか、まちづくりの取り組みがどのように「歴史の経路」を引いてしまったのか、相対化と、将来に向けての知恵の抽出が必要である。山形県鶴岡市、福島県二本松市、神戸市野田北部地区の3つの取り組みを素材として、政治との関係、地域との関係、市民社会との関係の3つ視点から議論をする。

 登壇者
 饗庭 伸    首都大学東京
 長野 基    首都大学東京
 中村 元    新潟大学
 浅川 達人   明治学院大学


9:00-12:30 セッション5:もうひとつのまちづくり -復興・創生のイニシアチブとフィールドデザイン-
会場:会議室1

 近年の震災復興において、政策・計画の領域と参加のアリーナは、既存制度と経験の参照により形成されるため、行政、住民を含めたプレーヤーの期待の膨張と協調の劣化を生み、その度に制度・技術の見直しと政府の強いイニシアチブによる打開が求められるというスパイラルを抜け出せていない。その一方で、こうした現実を踏まえた上で、異なるアプローチで挑戦するプロジェクトや組織が生まれ、新たなフィールドが浮かび上がる地域が出てくる。本セッションでは、復興を通じた「もうひとつのまちづくり」のあり方を想起し、そのフィールドのデザインについて議論する。


 登壇者
 真野 洋介   東京工業大学
 青池 憲司   映画監督
 北原 啓司   弘前大学
 澤田 雅浩   長岡造形大学
 松村 豪太   一般社団法人石巻2.0
 益尾 孝祐   アルセッド建築研究所
 野田 明宏   住まいまちづくりデザインワークス
 阿部 俊彦   早稲田大学都市・地域研究所
 

9:00-12:30 セッション6:まちづくりの広域化 -庭園生活圏のデザイン・マネジメント-
会場:会議室2

 市町村合併により都市的土地利用と自然的土地利用の両方を抱えた自治体が増加し、双方を総合的にデザイン・マネジメントしていく必要性が高まっている。美しい自然と都市や農山漁村を一体のものとして捉える庭園生活圏にその答えがあると考える。庭園生活圏全体の将来ビジョンをベースにして、バイオマス発電による環境ビジネスや美しい集落の再生、公共施設のコンバージョンなど行政の支援を受けながら市民力が地域を動かしていく。本セッションでは、山形県最上地域における「最上エコポリス」に焦点をあてて、庭園生活圏のあるべき姿を議論したい。

 登壇者
 松浦 健治郎  千葉大学
 深谷 政光   雫石町長
 住吉 洋二   東京都市大学
 沼野 慈    NPOもがみ
 横張 真    東京大学
 清水 哲夫   首都大学東京
 野中 勝利   筑波大学
 柳沢 伸也   やなぎさわ建築設計室


(12:30-13:30 昼休憩)


13:30-17:00 セッション7:まちづくりの未来力 -「計画」とは、「場所」とはなにか-
会場:井深ホール(同時通訳付き)

 「場所の質を高める計画論」というテーマを基点として、各セッションで「まちづくり」の役割についての議論を展開してきた。まちづくりが多様なレベルの「場所」で役割を果たしてきたことで、現代的多様性を持ったオルタナティブなまちづくりも進化し、「まちづくり」は重要な概念として社会に浸透してきたが、結果としてそのことが「まちづくり」と都市の「計画」の関係をおぼろげなものにしてきた。このセッションでは2日間の議論のまとめとして、まちづくりが今後も社会の中で広く役割を展開させていくとすれば、その時まちづくりと「計画」、まちづくりと「場所」との関係がどうあるべきかを考えることを目的とする。具体的論点としては、資本主義社会の中でのまちづくりの存在と矛盾、まちづくりがつくり出す「場所」の対象と質、そして「まちづくり」の社会的定義、である。これらの論点から、社会における「まちづくり」のこれからの役割=「未来力」についての議論を行う。

 登壇者
 内田 奈芳美  埼玉大学
 益尾 孝祐   アルセッド建築研究所
 宗田 好史   京都府立大学
 岡部 明子   東京大学
 慎 重進    成均館大学校
 Patsy Healey  Newcastle大学
 Jeffrey Hou   Washington大学


 

会場のご案内・お問合せ

早稲田大学 早稲田キャンパス 国際会議場

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申し込み:参加ご希望の方は以下の申込フォームにてお申し込み下さい
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 FAX での申し込みは、氏名・連絡先・区分(会員/ 一般/ 学生)を記載の上
 03-3205-2897(担当:菅野)までお送り下さい
 主催:早稲田まちづくりシンポジウム2016 実行委員会
 共催:早稲田都市計画フォーラム/早稲田大学都市・地域研究所/日本総合住生活株式会社寄付講座
 後援(申請中含む):一般社団法人 日本建築学会/公益社団法人 日本都市計画学会/特定非営利活動法人 日本都市計画家協会/公益財団法人 都市計画協会/公益社団法人 都市住宅学会/一般社団法人 東京建築士事務所協会/公益社団法人 日本建築家協会/日本都市学会/公益財団法人 日本都市センター/公益社団法人 土木学会/公益社団法人 日本造園学会/東京建築士会/自治体学会/公益社団法人 日本建築士会連合会/公益財団法人 都市づくりパブリックデザインセンター/一般財団法人 都市みらい推進機構/一般社団法人 再開発コーディネーター協会/早稲田大学芸術学校

お問い合わせ
 早稲田都市計画フォーラム 事務局担当:菅野
 〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1 55号館N棟7階10室
 TEL 03-5286-3285(担当:菅野)